血液検査からわかる胃の元気度

分子栄養学

胃の元気度とはタンパク質が消化できているか,胃が萎縮していなかをみることです。
分子栄養学的な血液検査の読み方ですので異常があるときは必ず医師に診察して頂いてください。

ペプシノーゲン1(70)

胃酸の分泌量と相関していて胃ガンのスクリーニングの指標でもあります。
胃酸に含まれる「ぺプシン」という消化酵素の元となる物質をみています。

ペプシノーゲン2

胃粘膜の萎縮をみています。

胃底腺の他,噴門腺,幽門腺および十二指腸腺に存在します。
胃粘膜の萎縮が進行すると,胃底腺領域は萎縮し幽門線領域が拡張します。

ペプシノゲン1/ペプシノゲン2比率(<3)

3以下は萎縮性胃炎

胃粘膜の萎縮を伴う疾患において比率が低下します。
ペプシノーゲン1に対しペプシノーゲン2が相対的に増加するため,ペプシノゲン1/2比が低下します。(SRL総合検査より)

Na (140) Clとのバランス

CL(108) 胃酸の材料

MCV(平均赤血球容積)

ビタミンB12は胃酸によって食べた物のたんぱく質が分離されて吸収されます。
間接的にビタミンB12 の量をみることになります。分子栄養学的には90くらいがよいとされています。
U/L のついている単位は酵素活性、タンパク質代謝の影響を受けています。

ここから下はタンパク質代謝がわかる項目です
(これは分子栄養学的な見解ですので一般の血液検査とは違います。)
総タンパク(TP)アルブミン(Alb)

血液中には、100種類以上のたんぱく質が存在しますが、血液中のすべてのたんぱく質の総和が、TPです。

主成分はアルブミン(70%)とγ-グロブリン(20%)で、これらはそのほとんどが肝臓で産生されます。

したがって、肝臓に障害が起こるとこれらのたんぱく質の合成能が低下して、TPは減少します。(肝炎netより)

LDLコレステロール コレステロール輸送するタンパク質の濃度を示しています。


尿素窒素(BUN、UN):基準値 8mg/dl~20mg/dl.

⬆️高タンパク,消化管出血など

尿素窒素は、たんぱく質の代謝によって、生じる老廃物です。 通常、尿素窒素は、腎臓でろ過されて、尿中に排泄されますが、腎臓の機能が低下すると、うまく排泄されずに血液中の量が増えます。分子栄養学ではタンパク質の摂取量の指標です。

BUNとγ-GTPとの関係

 理想はBUN =γ-GTPがいいですが
 BUN >γ-GTP 高タンパク,消化管出血,脱水
 BUN <γ-GTP 脂肪肝、胆石
 γ-GTP 15⬇️タンパク質摂取量が少ない
      解毒能力が沢山行われて少ない


コリンエステラーゼ(280)

⬆️脂肪肝⬇️低栄養、肝機能障害

コリンエステラーゼとは、肝細胞でのみつくられる酵素で、血液中へ放出され、からだ中に存在しています。
神経伝達物質の一種を分解する働きをします。

低値の場合 何らかの異常で肝機能が低下すると、肝臓のコリンエステラーゼをつくる能力が低下するため数値が下がります。
肝硬変が進行すると減少します。

高値の場合 脂質代謝にも関連するため、栄養過多による脂肪肝などでは多くつくられ、数値が上がります。(田辺三菱製薬 肝機能ナビ帝京大学 医療技術学部 学部長 滝川 一 先生より)

クレアチニン

クレアチニンとは、筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つです。

男性0.5 ~1.1  女性0 4 ~0.8 

腎機能、筋肉量、分子栄養学的にはメチル化の状態を見ています。


血清アミラーゼ(100)

血液検査における血清アミラーゼとは、血清アミラーゼの数を調べるものです。

アミラーゼは、糖質(でんぷん)を分解する消化酵素のひとつです。そのうち血液中に含まれるアミラーゼを、血清アミラーゼと呼びます。

膵臓で作られるため膵臓の機能を反映しています。

参考文献:SRL総合検査、栄養療法成功へのロードマップ 宮澤賢史

ではお逢いしましょう。

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